Atelier Sagan
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2001A's展
2001アズ展/座談会 4


「背中を押すような感じで手が動くようになってきてね、楽しい体験だった。それからは、僕は枯れたら現場。」サカイ

■ 野生を取り戻そう

野村:私の知っている方で、フランスに40代から亡くなるまでいて、その人は住んで7年ぐらいたってから、風景描けるかもしれないって初めて思ったって言うのね。その場所に毎年行って、春に行って冬に行って夏に行って一日いて、そのことが、長い間の時間の中でその風景を理解できて、自分で描ける気になれた。その人も、あまり現場とアトリエで差がないの。描けるっていうのは、自分の絵になっていくっていうのはそういうことかなって漠然と思ったことがある。

斎藤:佐伯祐三やスーチンはスケッチにしてもアトリエ内の仕事もタブローだよ。

野村:そう。アトリエで描いても、でっち上げではないんだよ。現場が持ち込めているし。でもやっぱり絵を描くっていうのは、私は時間だと思うんだよね。ひっくり返したり、送り返したり、即興で描くなら短い時間だし。その時間性だと思うんだよね。

柴村:スーチンだとか鳥海青児だとか、そういうタイプの画家と、例えばセザンヌみたいなのとはまただいぶ違うよね。同じスケッチとタブローの相違性にしても。セザンヌの場合は全然違うでしょ。ありゃスケッチもタブローも同じだよね。

斎藤:ただ、絵画で僕が感動するのは、そのものが生命感を持っているかどうかってことだと思うんだ。スケッチした時に初めてそういう気持ちで描けるってことが、多々あると。

サカイ:いや、描くものがあるんだよ。

柴村:いずれもやっぱり、気づかされる要素が強いよね。

サカイ:要するに頭の脳味噌を無理矢理動かすでしょ。マンネリの中で、前のことを踏襲するんじゃなくて。一ヶ月半旅行したときに、100枚ドローイングをやったのよ。スケッチじゃないんだけれど、宿泊所に帰ってきたら描くという絵日記を。現場で描こうなんてことは全然気持ちにない。最初のうちは辛い辛い。今日は何やったかって、もう小学生の宿題みたいな感じでね、それがだんだん慣れてくると、頭で考えないで、背中を押すような感じで手が動くようになってきてね、楽しい体験だった。それからは、僕は枯れたら現場。それが僕のスケッチ。

斎藤:それは時間でもなんでも言えるわけじゃん。

野村:そうなんだよね。私はねー、実は、枯れたら自画像。内面に帰れ。タブローの対象ではなくて。自分が迷うとね、小さい鏡がころがっていると、テレビを見ながらね、鼻から半分しか映ってないのとか。自分にとりあえずそこで対峙してみるんです。心象風景、全然スケッチなんですよ。自画像というよりは。

サカイ:柴村さん、枯れたらなんなんですか?

柴村:枯れてみないと判らないけど、確かめたい時なんかには、やっぱりスケッチするよね。

サカイ:確認作業ね。
柴村:ま、それだけじゃないよ。さっきみたいに、現場先にありきで。行ったところで、行った場所で、あーと思ったら描くっていう、そういう意味じゃ、僕らもアトリエに縛られてるから。

サカイ:感動はね、会員のみなさんと一緒なんだよね。スケッチ会行って、僕らも喜んでるんだよね。

柴村:みんな、場所に縛られてるから。

野村:人がそこの場所で、どんな風に見てるっていうのを見てたりするの、すごく面白い。

斎藤:あの感覚をもう一度呼び戻したいっていう欲望があるじゃない。そういうのが出てくると、絵がもっと動いてくる。

野村:ただ私は、止めてしまって完成させるよりも、動いたまま温存したいっていう気持ちがすごくあるね。だから、完成っていうのは相当難しいんじゃない。絵が動かなくなると完成みたいになっちゃうんだけど。

柴村:動いたまま温存っていうのは、時間が経つと難しくなる。

斎藤:ただ、静物描く時に、メモみたいなことってしないよね。

野村:しないねー。エスキースもしないねえー。

斎藤:なんかもう、構図決まって、その確認のためにちょっと描いてみるかってするんだけど、スケッチ行ったときみたくちょっと描いてみるかっていうのはない・・・

サカイ:やっぱり、あれは動物的だよな。それは、動物的な感じをアトリエの中に持ち込めることがスケッチの目的でもあったり。

野村:アトリエに野性を取り戻そう。

斎藤:幾何学的な構成や骨組みの上に、ある種そういう部分ができてくると、もっと動いてくる・・・。

野村:あー、観念的になりすぎちゃうのかな?一所懸命に。

斎藤:ただ、それやる時間も必要。。そこのバランスなんだよな。

野村:ときどき深呼吸しに行こうよね。みんなで。

サカイ:どっかね。

柴村:僕らにとっても・・・

斎藤:酒瓶のスケッチ!

野村:外に持ち出して屋上で!

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